恋の相手は白黒王子
「よし、準備OK!」
大きく独り言…これ、癖。
鞄を持って、大広間に戻る。
「…っ」
何か…すごいです。
執事達は黒いスーツから制服に着替えていて。
さっきまで並べてあったお皿やコップは姿を消していて。
食べかすはどこを探しても見当たらない。
「姫嘉様、行きましょう」
「…っ、はい」
神に手を取られ、大広間を出る。
乗り物はもちろん、リムジン。
「学校で苛められてたりしませんよね?」
車の中で、神が心配そうに聞いてくる。
「ま、まさかっ」
「ヒメってどっちかって言うと…苛める方だよねっ」
琉馬…、当てないで下さい。
…いや、当たってないけども!
「何かあったら、すぐに言って下さいね」
「…はい」