恋の相手は白黒王子
「~♪」
鼻歌を歌いながら教室に向かう。
3-B。
「…あれ?」
何だ…誰もいない。
みんな帰るの早いなぁ。
「…あった♪」
机の中から課題を取り出す。
「これ…今日中に終わるかな」
どっさりと重みのある課題を鞄に詰める。
ふと、窓から外を見ると、野球部が練習中。
「何か青春してるって感じだなぁ…」
ぼやーっとそれを眺めていると、チャイムが鳴って我に返る。
「そろそろ帰ろっかな…」
靴を履いて、外に出る。
日は既に暮れていて、周りに人がいない。
「え、もうそんな時間?」
時計を見ると、短い針が6を指していた。
早く帰らなきゃ…っ!
走って校舎から出る。
「ねぇ君、可愛いね」