恋の相手は白黒王子
◆司side◆
だるい。
マジ、生きてる意味分かんねぇし。
無意味に執事やらされて、働かされる。
「司ー、また由愛(ゆめ)ちゃんの事泣かしたんでしょーっ」
「あ、知らねぇよ」
「嘘だぁ、由愛ちゃん落ち込んでたよー、司君に迷惑掛けたって」
だから女は嫌いなんだよ。
ちょっと文句言うとすぐ泣いて、自分を悲劇のヒロインにする。
だるいんだよ、そうゆうの。
「だったら執事なんざ辞めてやるよ、俺なんかいねぇ方が良いだろ」
「またですか、司。もう何度目ですか」
「知るか」
やっとこのうざったい家から出られる。
二度と戻ってくるか。
俺はあっちの世界の方が百倍あってる。
クソ親父が…ふざけた事しやがって。
でも―――。
「司!」
「あ?…んだよ」
「司の我侭をきけるのは、僕らだけ、でしょ!?」
「また探しましょう、仕事」
「司は本当、自己中だよねぇ」
こいつらにだけは、感謝してんだ。