恋の相手は白黒王子
「ばいばい姫嘉、後でねぇ!」
「うん、また後で」
…あらぁ、今日もすっごい人気。
やっぱり格好良いってだけで、すんごい得するよね。
「おっはよぅ、椿ーっ……?」
私はいつも遅刻ギリギリで学校に来るから、椿は必ず教室で待ってる。
…ハズ、なのに。
「…椿は?」
「知らねぇ、まだ来てねぇんじゃねぇの?」
椿が…来てない?
―――ドクン。
何、…この胸騒ぎ。
急いで椿に電話をする。
『おかけになった電話は、電源が入っていないか電波の届かない場所にある為、繋がりません』
椿さーん、どこ行ったんですかー?
大丈夫、大丈夫。
椿は、たまたま遅刻してるだけ、うん。
あと数分したら「おはよー♪」って来るよ、絶対。
…でも、何かあったら。
私が椿を助けなきゃ。