恋のお授業。
その女の子とは??
その仔はね…

藤田美優(フジタ ミユウ)。あたしの元親友。
元って言うのはね…過去に大変な出来事があったんですよ。
ま、それはおいといて。
「律華ぁ~」
でた~!!!!美優!!これぞ『噂をすれば』。
「何??」
やばぃ…何時にもまして香水の匂いが…。
その香りは…ふんわりフローラルな香り。
…らしい。
あたしにすれば悪臭だけどね。
「委員長がぁ…資料とってきてぇだってぇ♪」
「ん~…」
適当に返事をしてある場所に行く。

そこは…。
風通しのいい屋上。
ここに来る訳はふたつ。
一つ目は、ストレス発散。
風にあたると気持ちいいんだよねぇ。
二つ目は、祐がよくここに来るから。
このおかげで、祐と沢山喋ることができた。
…昔はよく喋ってたなあ…。
そんな事を思いながらあたしは、昔祐と一緒に作った歌を歌った。

【涼side】
「だりぃ…。」
今日の一時限目は、俺の苦手な科学のテストで。
親友の祐の予想がバッチシ当たって。
信じなかった俺は、多分十点以下の点数をとったことだろう。
漫画じゃないんだからよぉ…。
俺の名前は佐伯涼(サエキ リョウ)。はっきり言うとモテる。
今日も女子たちからの愛の告白を6回もうけた。
当然全部フッた。
理由=タイプの女子がいなかったから。
当たり前だろ。
そんな俺は、16段ある階段を淡々とのぼっていく。
扉を開くと…
~♪♪~♪♪♪
澄んだ歌声が聞こえてきた。


いつも君のそばに居たくて。
でも出来なくて。
だから今、この歌に気持ち込めるよ。
君のためなら何でも出来るよ。
友達でもいいから

君の支えになりたいよ。…♪


…なんだこの歌詞。ほっとするような。
「…ッ!!??」
歌が終わり、そいつは、俺に気づいたらしい。
…可愛い。
素直にそう思ってしまった。
栗色のストレートなセミロング。小柄ながらスラッとした体型。淡いピンクの唇。
大きな茶色い瞳。
「…歌上手いんだな。」
俺はいつもの甘~いスマイルで彼女に褒めかける。


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