飛べない鳥
俺は体を引きずり、
冷蔵庫を開ける。


冷蔵庫もこの部屋と同じで、目立つものはなにもない。


俺は買い置きしてある大好きなレモンティーをコップに注ぎ、テレビをつけた。

一気に騒がしくなる部屋。
俺は少しだけ音量を小さくした。


手に持っていたグラスを床に置き、クローゼットの中から今日から着る制服を取り出した。


『めんどくせ…』


その制服をベットの上へと投げ、俺はカーテンを開けた。


カーテンを開けると広がるのは真っ青な空。


そこに自由に飛ぶ鳥。

俺は鳥達を見ると必ず思ってしまう。


空を飛びたい…


小さい頃からの夢だ。


俺は暫く空を眺めていると、インターホンが鳴った。

俺は玄関の方へと向かう。

『…響か?』
< 11 / 354 >

この作品をシェア

pagetop