飛べない鳥
何だよ…俺の大切な時間を邪魔すんじゃねぇよ。


腕を離せ、ほらな?


唯は小動物のように肩を震わせて怖がっているだろ?

そんな唯の姿見たくない。

そんな姿に唯をさせたくない。



『わっ私はただ遥斗と話してただけですっ…』



四ツ葉のキーホルダーをギュッと握りしめて、唯は言った。


美咲の腕が強くなっていく。


『遥斗は優しいからここに毎日来てくれてるだけだよ!ね?遥斗??』



美咲は俺を見上げる。


俺を見た瞬間、美咲の強かった腕が離れていった。


今の俺は、最上級に不機嫌な顔をしている。



唯を傷付けたくない。


俺の想いが大きい。



美咲には悪いが、
俺は唯しか見えていない。


『…そろそろ黙ってもらえるか?』



美咲の顔が止まった。


まるで凍ったような、
カチカチになっていた。
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