飛べない鳥
俺達が今から行く高校は、光明《こうめい》高等学校だ。


近くの駅へと行き、電車に乗る。

次の駅で下り、歩いて20分の距離にその高校はある。

案外近い。

光明高校は、そこそこ良い学校だと聞くが興味ない。

近いからという理由でこの学校を選んだ。

多分響も俺と同じ理由だろう。


電車で揺られながら俺達は光明高校を目指す。


『遥斗ってさ…女に興味はないの?』


俺は頬杖をつきながら、
移り変わる景色を見ていた。


そしてゆっくり響の方を向く。


『女?興味ねぇし』


これだけ言って、俺はまた外を眺めた。


『もったいねぇ~遥斗人気なのに』


俺は何回か告白をされた事がある。

もう数えきれない程の数の人から、彼氏になって欲しいと言われた。


だが俺は全て断った。


今だ俺は彼女がいた事はない。
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