飛べない鳥
響はそんな俺を見ながら嬉しそうにこう言った。



『最近の遥斗、昔と全然違うよな』



『あ?』


俺は髪と髪の間から響を見上げた。



『恋してる遥斗はさ、なんつーか、すげぇかっこよく見える。昔も十分かっこよかったけどそれ以上に』




『どーも、でも俺はまだ人を信じられねぇな。唯一信じれるのはお前と唯ぐらいだ』



『そのうち治るっしょ。
お前が変われるならさ』



響は立ち上がり、
大きく深呼吸をした。


昨日の雨のせいで、
まだあまり乾いていない地面や、葉っぱから落ちる雫をみた俺は、そんな世界を綺麗だと思った。



『俺さ!今日先生と夜会うんだ!』


響が俺の方を向いて、
凄く恥ずかしそうに言った。


俺は鼻で笑ってしまった。


『お前なにいってんの?』
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