飛べない鳥
『俺さ、先生のこと本気で好きなんだ…なんていうか…守ってやりたいって思う…』


響は照れながら髪の毛をくしゃっと掻いた。


真剣に好きな人のことを話す響が、なんだか羨ましく、そして…人間らしいと思った。



俺は人間が嫌いで、
人間になんかなりたくなかった。


鳥になりたかった。



でも今の俺は人間に恋をした。


雌の鳥ではなく、女の人間に。


しかし、俺は重要なことを忘れていたみたいだ─…



『まじかよ…』



『朝、話してて…会いたいって言ったら会ってくれるみたいでさ…』



『頑張れよ?お前が本気なるのとかすげぇ久しぶりだな』



『ぜってぇ落とすから!!』



響はピースサインを作り、頬をピンク色に染め、
教室のある校舎へと歩いて行った。



また一粒の雫が、葉っぱから落ちていった─…
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