飛べない鳥
恋をしたことがない俺は、どうしたらいいのか分からなかった。


葵になんか負けたくない。

確かに葵はかっこいい、それに唯には優しそうだった。



そして…幼馴染み…


俺の胸にこの言葉が突き刺さっている。


その矢はなかなか取れないでいた。



俺は部屋を真っ暗にし、
頭を抱えて悩んだ。



悩んでも、悩んでも…

いい方法は見付からないでいた。



すると突然、
ポケットの中に入っていた携帯電話が鳴り出した。


暗い部屋に、明るく携帯電話。


俺の今の気持ちとは正反対だった。



そして、この電話の相手も、今の俺と正反対のテンションだった。



『あっ遥斗ー??』



『…響かよ…』



無駄に煩い響の声が、
耳の中に響く。



『さぁ、問題です!今どこにいるでしょう?』



何だ、その変な問題。
分かるわけねぇだろ?



『知らねぇ』



『正解は、先生の部屋でーす!』




…ついに頭がおかしくなったか?
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