飛べない鳥
…ピピッ…ピピッ…


大音量の目覚まし時計が、朝が来たと知らせる。



『ん…』


俺は煩い目覚まし時計を止めるため、目覚まし時計を探し、スイッチをオフにした。



『…朝?夢?』


俺は周りを見渡す。


ベットの隣には、
幸せそうに眠る響の姿があった。



『…夢で良かった…』



『美幸~…』


響は先生の名前の寝言を言っている。



俺は気持ちよく寝る響を起こさないように、学校の支度をし始める。



あの夢が忘れられない。



…飛べない鳥がなんだよ。

俺は飛べない鳥?


前にもこんな夢を見たな。


葵に言われたことが一番腹立たしい。



俺は何回も顔を洗い、
あの夢を忘れようとした。


『遥斗…』



鏡に写ったのは、
寝癖で髪がボサボサになった響だった。
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