飛べない鳥
『起きたか?』



『う~ん…』



俺はタオルで顔を拭き、
洗面所から出て行った。


そして朝食のパンを焼く。

今日は響の分もだ。


次第にパンの香ばしい匂いが部屋中に広がる。



『あ~俺今日どーしよ!!』


制服に着替える響が言った。


『普通にすればいいんじゃねぇの?』



『出来るかなぁ…』



『出来るだろ』



俺と響は、軽く朝食を済ませ、学校へと向かった。



『遥斗?今日雨降るってテレビで言ってたぞ?』



『何パーセントだよ?』



『20パーセントぐらい』


『降らねぇだろ?こんな晴れてるし』


見上げると太陽が嬉しそうに輝いている。


雨なんか降るわけねぇよ。


俺は、自惚れていた。


これから、俺の心が大雨になるということ…



俺は…やっぱり、
人間を愛してはいけなかったのかもしれない─…
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