飛べない鳥
下駄箱で思い出した。


昨日のこと…


そして思い出される度、
ため息が出る。


眉間に皺を寄せ、
下駄箱に持たれかかった。

後ろを振り返ると、響と先生が仲良く会話をしながら歩いている。


何故か、響達の周りだけ、世界がキラキラとしているように見えた。



幻覚か?



『遥斗、おはよう?』



下の方から君の声が聞こえた。


間違えるはずはない、
君の声は、俺の癒しの声。


幻聴か?


違うよな、だって目の前には君がいるから─…




『…唯…』



『おはよ!昨日はごめんね?本当は一緒に帰りたかったのに…葵が無理矢理…』



『…別に…いいんだ』



俺は首を横に振り、
唯と並んで教室に行く。



廊下を歩いていると、
さまざまな生徒達が、俺達を何度も見てくる。



『葵ってやつのこと…唯は好きか?』
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