飛べない鳥
『やっぱ20パーセント当たりそうだな?』


響は窓から空を覗きながら呟いた。



─キーンコーンカーンコーン…


チャイムが鳴ると、
廊下にいた沢山の生徒たちが一斉に教室に駆け込んだ。


俺と響も少し遅れて、教室に入って行った。



席に着き、俺は唯の方を見た。



唯は俺の視線が気付いたようだ。


唯と目が合う。


一瞬びっくりした顔を見せる唯。


でもすぐに笑ってくれた。

照れた顔を見せてくれた。


俺は前に向き直し、
小さく笑った。



『負けない…』



負けない、負けない。


負けてたまるか。


あんなやつに唯は渡さない。



俺は俺がしたいようにする。

誰の指図も受けずに、
自分なりに納得がいく行動をする。



そしたら、少しでも…


変われそうな気がするから─……



空は、益々暗くなっていた…
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