飛べない鳥
校門の前に、《入学式》という看板が置かれている。

俺はそれを横目で見て、
校門を通った。


周りには沢山の人。
それと保護者が楽しそうに話していた。


桜の花びらがヒラヒラと俺の目の前に落ちていく。


『遥斗、受付行くぞ?』


『あっあぁ…』


人混みが苦手な俺にとってこれ以上進めなどと言わないでくれ。


息が出来なくなる。


響は先に行ってしまって、響の姿が見えなくなった。

『あいつどこ行きやがった?』


俺は響の姿を探す。


響の髪の色は目立つからすぐ分かると思っていたが、見付からない。


さっきより人混みが増す。

俺の限界がもう少しだった。


『響…ったく』


俺は諦め、人混みが若干少ない場所へと行った。
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