飛べない鳥
カバンを地面に置き、
携帯を取り出し、メモリから響を探し電話をかけた。

─プルル… プルル…


響は電話に出ない。

きっと聞こえないのだろう。


『は?ありえねぇ…』


俺は携帯を思いきり閉じ、カバンへと投げた。


俺は暫く人間を見ていた。

なぜあんなに笑えるんだ?

なぜあんなに人と話せるんだ?


謎だらけだ。

人間は難しい。


『ねぇ?どこから来たの?』


こう言いながら、俺の肩を叩く人がいた。


俺はいきなり触られたので、体がビクッと反応をした。

思いきり振り返ると、そこには女の子の二人組がいた。


『カッコいい~!てか超綺麗!』


『友達になって?』


二人組は頬を真っ赤に染め、俺を上目使いで見る。


俺はそいつらを冷たい目で見た。
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