飛べない鳥
美咲はいい子だし、可愛いし、すごく面白い。



でも唯にはどうしても勝てなかった。


美咲が悪いわけじゃないんだ。



俺が悪いんだ。



『…私、頑張るよ…
頑張るから好きになってよ…私それでもいいから、遥斗の傍にいたい…』



両手で顔を隠し、
泣きながら美咲は叫んだ。


『そんな曖昧な気持ちで美咲と付き合ったら、美咲が辛い思いするだけだぞ?
そんなの耐えれるかよ?』



『ぅう…』



『…ごめんな、俺、嬉しかったよ。美咲が俺のこと好きになってくれて。』




『遥…斗』



『ありがとう』


俺は美咲に笑顔を見せた。

そして顔を隠していた両手を外した。


涙でぐしょぐしょになった美咲の顔。



『笑えよ…』



俺がこう命令すると、
美咲は俺の命令に従い、
涙を我慢しながら笑ってくれた。
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