飛べない鳥
~第一章・闇~
俺の心の中は、暗くて、
黒い闇に包まれている。


きっとあの日から…


俺の心は暗いままなんだ。


───………


3歳の誕生日の日…


俺の父親が自殺をした。

あの頃、何がなんだか分からなかった俺は、ただ、呆然と立ち尽くし、母親の手を握っていた。


あとで分かった事なんだが、父親が自殺した理由は、自営業破産だったみたいだ。


父親は自営業だった。

だが、経営が上手くいかず、破産してしまったらしい。

莫大な借金を抱えた父親は、耐えきれず、裏の木にロープを結び首を吊って自殺をした─…


たった一本のロープが、俺の大好きだった親父の命を奪ったんだ。


まだ幼かった俺は、
目の前に眠る父親に、

『パパ?もう朝だよ?
早く起きないと会社に遅刻するよ?』


と言いながら、冷たくなった父親の体を揺さぶっていた。


母親は、隣で泣き崩れていた。
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