飛べない鳥
俺が黙ったまま、そいつらを冷たい目で見ていても、そいつらはまだ頬を赤くしている。


『…何で?』


低い声で俺は言った。


二人の女の子は、顔を見合わせて、


『カッコいいから!』
『うん!そう!』


と笑顔で言ってきた。


『はっ…』


俺はつい笑ってしまった。

カッコいいから友達になりたい?


どれだけ単純なんだよ。


『俺、興味ないから』


冷めた目つきでそいつらを見ると、ビビったせいか、逃げて行った。


めんどくさい。


『あっ遥斗!!
お前どこ行ってたんだよ!』


『響を見失って』


『仕方ねぇな!ほら!お前のもらってきてやったから!』


響が俺に封筒を渡してきた。

『さんきゅ』


俺はその封筒を見ず、
すぐにカバンの中に入れた。
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