飛べない鳥
『遥斗と俺、同じクラスだから!』


『まじ?良かった』


俺と響は新しいクラスの、一年五組に向かう。


まだこの校舎は新しい。
新品の独特な匂いがする。

教室の外に《1─5》と書かれた場所を探し、教室へと入っていく。


『俺は二列目の三番目。
遥斗は、俺の次の次の席。結構近いじゃん』


俺達が教室に入ると、
さっきまで賑わしかった声がシーンとなった。


俺は気にせず、席へと座る。


『ねぇヤバくない?綺麗~…でもあっちの人もカッコよくない?』


『ヤバイヤバイ!絶対狙うし!』


また始まったよ、俺が嫌いなこの時間が。


中学の時もそうだった。

俺と響が教室に入ると、
静かになり、ヒソヒソと話出す人達が沢山いた。


高校でもそうか。


だから入学式は嫌いだ。
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