飛べない鳥
『中に入ろうよ?』


美咲は重たそうに荷物を持ってマンションに入って行った。



美咲とは、あれ以来会ってもいないし、会話もしていなかった。



あれ以来とは、あの美咲からの告白からだ。


学年が違うせいか、学校で見掛けることもなく、
マンションでは、会ったことがなかった。



久しぶりに美咲に会えたので少しだけ嬉しかった。



『持つよ』



俺は美咲が持っていたスーパーの袋を持ち、エレベーターに乗り込んだ。



『ありがと…』



『いいよ』


久しぶりに見た美咲は、
前より随分可愛くなっていた。


そんな美咲に、少しだけドキッとした。



『遥斗、久しぶりだね?元気だった?』



『まぁまぁ』



『かっこよくなったね』



『さんきゅ…』



久しぶりの会話なのか、
どこかぎこちない二人。



『最近どう?』



美咲は前と変わらない笑顔で俺を見てきた。
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