飛べない鳥
『面接に来るだけでもいいからさ!ね?』



『そうだな…』


確かに、俺は毎日毎日暇をしている。

それに生活費は施設から援助してもらっている。
援助と言っても、昔母親が施設に渡したお金なのだが。


でも施設にあまり迷惑をかけたくない。

欲しいものは自分で買いたいし、遊ぶ金だっている。


『どう?』



『ん~…』



俺は迷いに迷い、こう答えた。



『やるよ』



前々からバイトには興味があった。


新しい出会いがあるかもしれないし、楽しそうだからだ。



『本当?!じゃあオーナーに言っておくね!また連絡するね』



『おう、またな』



『バイバイ!』



美咲はエレベーターに乗り、自分の家へと戻って行った。



俺は紙切れをポケットに入れ、部屋に帰って行った。
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