飛べない鳥
───………



『は?杏?』



『そう、杏ってやつ。お前知らねぇ?』



次の日、俺は響に昨日の出来事を全て話していた。


やはり響は杏という名前を聞いて、誰だか分からない様子だ。



『知らねぇなぁ…俺が知らないはずねぇんだけど』



『でも知らない可能性はあるよな?だって俺らの学年8クラスあるじゃん』



俺達の学年は全部で8クラスある。

だから知らない人がいても当然だろう。



『気になるなぁ、杏ちゃん』



『会えるかな、俺返事しなきゃいけねぇのに…』



『会えるだろ!』



『はぁ…めんどくせ』



俺は今日も学校へと向かう。



教室に着くと、いつもいるはずの唯の姿が今日はなかった。



どうしたのだろう?
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