飛べない鳥
『えぇ?!嘘でしょ!?遥斗すごい!それは自慢しなきゃね!』



『自慢って…でも俺断るよ?』



『え~もったいない』



香織は肩を落とし、
がっかりしたような顔を浮かべた。



『俺は唯が好きだから』



この言葉を香織にではなく、直接唯に言いたかった。


でも…なかなか勇気が出なかった──………




───………



『響!俺ちょっと急ぐから先帰るわ』



俺は猛スピードでカバンを持って教室を出て行った。


そう、今からバイトの面接だ。


俺は約束の5時に間に合うように、紙切れの地図を頼りに面接場所に向かう。



そして、1時間ぐらい経った頃だろうか、面接場所を発見した。



目の前には大きな総合病院。


結構栄えている場所だ。


喫茶店の雰囲気も悪くない。


すごく洒落た店だ。



俺は中に入るため、ドアを押した。
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