飛べない鳥
俺は喫茶店の前で立ち止まり、その喫茶店を見た。



『やっていけんのかな』



この店でやっていけるのだろうか?


でも美咲もいるし、オーナーは優しそうな人だからやっていけそうだ。



俺は来た道を戻るため、
総合病院に繋がる一本の道路を歩く。



だが、真ん中まで来たところで、俺の足は動かなくなってしまった。



何故ならば、目の前にはあの二人の影があったから…

総合病院の前で仲良さそうに何かをしている。




『唯…』



その二人とは唯と葵だった。


葵が唯の手を握り、頭を撫でている。


唯は葵の優しさに頷いていた。



『何で…』



また、俺を苦しめる。


どうして…?



あぁ、そっか…



あの二人は付き合ってるんだもんな…



俺は信号が変わるうちに、向きを変え、違う道で帰って行った。
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