飛べない鳥
杏が教室を出て行ってしまうと、その集団から残念な声が飛び交っていた。



『たっ橘君…どうしたの?』


フワフワの髪の毛を触りながら、目を泳がせている杏。


そんな彼女を見た響は、



『かっ可愛い!まじ可愛い!!』


と口を開けて杏を眺めていた。



そんなバカ面をした響を見た杏は、苦笑いをしていた。



『お前小さいから見えなかったよ』



『私小さくないもん!!』


俺と杏は20センチ以上身長の差がある。



どうみても小さいだろ…



『杏ちゃん、遥斗なんかやめて俺にしな!』



『お前バカじゃねぇの?お前にはせ…』



『せ?』


杏が首を傾げて、?マークを浮かべている。



『遥斗のことは気にしなくていいから!!』


響はそう言いながら俺の背中をつねった。



『杏、この前の告白のことだけど…』
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