飛べない鳥
俺は最低だと思うよ、
でもいい方法が見付からないんだ。


俺はこんな最低なことしか思い付かなかった。



『唯には葵がいるじゃねぇか…』



すると響は俺の両肩を掴み、俺を壁に押し当てた。




『お前は…お前は菊地が好きじゃねぇのかよ!!』




響の声は廊下全体に響き渡る。


だがここは渡り通路なので、響の声は俺以外の人物には聞こえない。



『いてぇよ…』



俺は響の目を見て訴えるが、響は手を離してはくれない。




『お前の気持ちはどこにいったんだよ!!お前は菊地が好きで…好きで…しょうがなかったんだろ!?
だからあんなにも努力したんだろ?!』



次第に響の瞳が潤っていく。


俺はそんな響を見るのはよせ、違う方向を見た。




『…好きじゃねぇよ…』
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