飛べない鳥
俺は、何も分かっていなかった。

人は、変われるという事に──……


俺と響は、体育館から教室へと戻るため、まだ慣れない校舎を歩いていた。


『なかなかいねぇな、ぐっとくるヤツ』


『そりゃいねぇだろ。
お前レベル高いんだよ』


『そ~か?』


早く帰って一人になりたい。


部屋に帰ってあの青空の写真を眺めたい。


俺は疲れきった体を、
引きずりながら教室へと戻った。



俺達が戻るとまだ興奮している女の子がいた。


『うぜぇな…』


俺達が通ると、振り向く人達。


この世界から消えてくれよ。


違うな、俺が消えればいいんだ。


『はーい!席に座りなさい!』


と大きな声を張り上げながら入って来たのは、
さっき廊下へ並べと指示をした、新米教師だった。
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