飛べない鳥
何かだんだん分からなくなってきた。


付き合って何が楽しいんだよ?


ただデートとかしたいだけなんじゃねぇの?


欲求を満たすだけなんじゃねぇの?



つまんねぇ。


俺は道端に転がっていた缶を思いきり蹴った。



丁度門の辺りに来た所だろうか?

俺達に向かって大きく手を振っている人がいた。



『遥斗~!!おはよっ!』


『杏?』



その人物とは、杏だった。

小柄な体を動かしながら、精一杯頑張っている。


朝からそんな必死な杏を見たら、笑ってしまうだろ?


俺は杏がいる場所に行き、頭を撫でた。



『お前頑張りすぎ…』


横で見ていた響も杏を見て笑っていた。



『杏ちゃんウケるから!』


『え~何でぇ?中入ろー』


俺と響と杏は笑い合いながら校舎の中に入って行った。
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