飛べない鳥
『じゃあ遥斗、またね!』


杏とはクラスが離れているからここでお別れだ。



『昨日メール返せなくてごめんな?』



『いいよ!じゃあまたね!響君も!』



杏は俺達とは逆の方向に歩いて行った。



『杏ちゃん、本当可愛いなぁ…』



『喋んな』



俺は頬を少し赤く染めた響の頭を叩いた。


響は笑っていた。


教室につくと、香織が勢いよく走ってきた。



『遥斗!森杏と付き合ってるの!?』



そっか、まだこいつには話していなかったよな。



『そうだけど?』



俺はカバンから教材を取りだし、机の中に入れていく。



『もうすごい噂だよ?!てか唯は!?』



香織の発言を聞いて、俺の動きは止まった。



『…別に?』



そして俺はまた動き出す。


『別にって…何それ…遥斗はそれでっ…』




『は~い、ストップ!』
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