飛べない鳥
俺と香織の間に入ってきたのは響だ。


響は香織の口を塞ぐ。


『響!!』


香織は響の手を外す。



俺は黙ったままだ。



『香織、もういいじゃん?遥斗が決めたことなんだから』



『でもっそんなのって…』


『俺も香織と同じこと思ったけど、これは遥斗の恋愛なんだし、俺達が口出ししていいのは限度があるだろ?』




『そ…うだけど…』



香織は響が言ったことに納得したようだ。


俺は香織を見上げ謝った。


『ごめんな…』




『幸せにならないと許さないから!!』



そう香織は言って、友達の所へ戻って行った。



…俺はこの時、改めて幸せモノだと痛感した。



人に心配されて、
人に助けられて、
人に祝福されて、

人に愛されて…



少し、気付くのが遅すぎたようだ。



こんな些細なことだけど、幸せなんだな…
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