飛べない鳥
杏は毎時間、遥々俺の教室に来てくれた。


そして楽しそうに授業の話や友達の話をして帰っていく。



俺はたんだん休み時間が楽しみになってきていた。



『遥斗、今日の予定は?』

俺は杏と響とで昼食を食べていた。



『今日の予定は…あっバイトだ』



俺はラーメンをすすり、今日の予定を言う。



『遥斗バイトしてたっけぇ?』



『今日からな。○○総合病院の前の喫茶店で』



『あ~あそこの洒落た喫茶店ね』



『杏?』



杏は悲しそうな瞳を俺に向けてくる。



『え~!?じゃあ今日一緒に帰れないじゃん…』



するとみるみるうちに、杏の周りが暗いオーラで覆う。


『ごめん!明日帰ろ?』



『分かった~…』



杏は渋々、了解をしてくれた。



─…午後の授業はあっという間に過ぎていき、もう帰りの時刻。


俺は急いで喫茶店に向かった。
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