飛べない鳥
もっともっともっと…
早く思い出していればよかったかな?
あの時のあの女の子が…
『遥斗、唯の事好きなら唯を守れるぐらいの力を身に付けろ。唯を泣かせるな。分かったな?唯を泣かせたら唯はもらうから』
葵が最後にこう言って、帰って行った。
俺はただ頷くだけで、《任せろ》なんて言えやしなかった。
俺はまだ唯を守れるぐらいの力はない。
唯を泣かせない力などないから。
──…俺は葵と別れると一目散に家へと向かった。
人間をすり抜けていき、
家路を急ぐ。
確かめたい、確かめるんだ。
無我夢中に走り、俺はローファーを脱ぎ捨て、クローゼットの中をあさぐる。
忽ちたくさんの段ボールが部屋を埋め尽す。
『どこだ…』
俺は、小さい頃の思い出の品が入っている段ボールを探していた。
でも中々見つからない。
『あっあった…』
早く思い出していればよかったかな?
あの時のあの女の子が…
『遥斗、唯の事好きなら唯を守れるぐらいの力を身に付けろ。唯を泣かせるな。分かったな?唯を泣かせたら唯はもらうから』
葵が最後にこう言って、帰って行った。
俺はただ頷くだけで、《任せろ》なんて言えやしなかった。
俺はまだ唯を守れるぐらいの力はない。
唯を泣かせない力などないから。
──…俺は葵と別れると一目散に家へと向かった。
人間をすり抜けていき、
家路を急ぐ。
確かめたい、確かめるんだ。
無我夢中に走り、俺はローファーを脱ぎ捨て、クローゼットの中をあさぐる。
忽ちたくさんの段ボールが部屋を埋め尽す。
『どこだ…』
俺は、小さい頃の思い出の品が入っている段ボールを探していた。
でも中々見つからない。
『あっあった…』