飛べない鳥
俺はその子から視線をずらし、絵を描き続けた。



その女の子は、俺の隣に座り、画用紙を覗いてきた。


『鳥?』



俺の描いていた絵を指さして、俺に聞いてきた。



俺は言葉に出さずに、頷く。



『鳥さん好きなの?』



『…うん』



俺はクレヨンの色を変え、鳥に色をつけていく。



『私も鳥さん好きだよ!』


彼女がこう言うと、俺は笑顔を作った。




『僕、鳥さんになりたいんだ』



俺がこう言うと、彼女は驚いていた。




『何で鳥さんになりたいの?』




俺は彼女の質問に戸惑ってしまう。


俺は考えて、考えて、
この答えを言った。



『パパとママに逢いたいから…鳥さんになったら飛んで行けるでしょ?』



彼女は俺の答えを聞くと笑ってくれた。




『きっとなれるよ』
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