飛べない鳥
───……そうだ、


このキーホルダーはあの時貰ったものだ─…


小さい頃、あの女の子に…


眠っていた記憶が蘇ったように、頭の中に鮮明に思い出された。


今手の中にあるものは…


四ツ葉のクローバーのキーホルダー…



そしてその横にあった画用紙に描かれていたものは、一羽の鳥─…



あの女の子が…もしかして…唯だったのか?



間違いないだろう、
このキーホルダーを唯は大事に持っていたのだから…


何で今頃思い出すんだよ…何で…もっと早く…



俺はキーホルダーをぎゅっと握り、勢いよく部屋を飛び出した。



もう誤魔化したりしないよ、
もう迷わないよ、
素直になるよ…ごめんね…


忘れてて…ごめんね…




俺は、君が好きだ─…




夜の街を俺は走る。
君を守りたいから、
君に逢いたいから─…



君を愛しているから…




『唯─!!』
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