飛べない鳥
人の気持ちはその人しか分からないかもしれないが、先生が響を見つめる顔が、付き合っているときと変わっていなかった。



好きなら何故だめなんだ?
と俺はまだ疑問に思っている。



そして今、俺はこのくそ暑い中、名刺を片手になにかを探していた。



『あちぃ…』


時々、この気温にイライラし、愚痴を溢すが、世界は俺の愚痴に無視をする。



止まっているだけで汗が出てくる。


止まると余計暑く感じるので俺は早くその場所を探した。



『あっ…ここだな…』




俺がやっと見つけだした場所とは、白と薄い黄色をした大きな建物で、ガラス張りで、中がよく見える。



そして看板の文字を見た。

看板には名刺と同じ文字が書かれている。


間違いない、ここだ。




『美容院…fine custom…』
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