飛べない鳥
『今日はどんな感じにしたいのかな?』


光輝さんが、俺に白いマントのようなものをかけながら聞いてきた。


俺は手に持っていた雑誌を一旦置き、髪の毛を触り説明をした。



『髪を染めたくて…もっと落ち着いた色に…』



『そっかぁ…』



光輝さんは俺の髪を触り、どうするか決めているようだ。



『何色がいいか分からなくて…』



『…君にはこの色は似合わないね…』



『え…?』



俺は鏡の向こうにいる光輝さんを見て言った。



『何か無理してる気がするよ』



光輝さんの発言は間違っていない。


俺が髪を染めた理由は、
はっきりとした理由はなく、ただの好奇心だった。



唯に気付いて欲しくて…
唯に見て欲しくて…
こんな色にしたのかもしれない。



光輝さんは俺のことが分かるのか?
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