飛べない鳥
俺は会計を済ませ、帰ろうとしたとき、光輝さんが俺に何かを差し出した。



『これ、あげる。
僕が尊敬している人が撮った写真なんだ』


俺はそれをもらい、写真の風景を見た。



その写真の風景は、俺が大好きな青空の写真だった。

青空の中に、一輪のヒマワリが咲いていた。


その写真がすごく幻想的で、俺の動きが止まった。



『もらっても…いいんですか?』




『今日のお礼だよ。いつでも遊びにおいで?落ち込んだときにその写真を見るといいよ。落ち着くからさ』


『ありがとうございます!また来ます』




『ありがとうございました、またのご来店お待ちしております』



俺はアスファルトの照り返す中を歩いて行った。


貰った写真を見ながら、
俺は歩いていく。


太陽と同じ色をした、オレンジのメッシュ。



この髪を見て、唯はどんな反応をしてくれるかな?



ふと、俺は裏側の左下を見た。



そこには小さな文字で、名前が書いてあったんだ。




《優》




きっと、この写真を撮った人だろう──…
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