飛べない鳥
この写真を撮った人に、一度逢ってみたい。


そして…ありがとうと言いたいな─…


俺は家に帰ると、この写真を青空のポスターが貼ってある横に貼った。


いつでも見える位置に飾っておいた。



─…そして休日は開け、月曜日になった。



『遥斗~!』


朝から元気な響の声が聞こえてくる。


俺はカギを縦にし、ドアを開けた。



『おっは…よ…』


響の笑顔がどんどんなくなっていく。


早急までの笑顔が、今では間抜けな顔になっている。


そんな顔になるのもなんとなく分かる気がする。


俺の髪の毛を見て驚いてるんだろ?



響は顔に出やすいからすぐに分かるよ。



『おはよ』



俺は近くに置いてあったカバンを持ち、外に飛び出した。


そしてカギを閉め、エレベーターに向かう。



響はまだ俺の部屋の前で固まったままだった。
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