飛べない鳥
響?ったく何の用だ。
迷惑にも程がある。


俺は玄関のカギを開け、不機嫌な顔をして響を睨んだ。



『よっ!おはよ!』



『は?お前なんなわけ?』


人が折角寝ていたのに、こいつのせいで起こされたと思うと無償に腹が立つ。


響は俺を避けてずかずかと部屋の中に入っていく。



俺はため息を溢し、カギを元に戻した。


暗い部屋の中で響は寝転がっていた。


俺はそんな響が邪魔に思い、腹を蹴った。



『邪魔』



『いてぇ!』



そして俺はもう一度寝ようとしベットに向かう。



『遥斗!寝るな!報告がある!』



『…あとにして』



悪いが俺は今それどころじゃねぇんだ。



体が寝させろと訴えている。




『俺…伝わったんだ!!』



大声で叫んだ響の言葉が、俺の体を起こしてしまったようだ。




『え?』
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