飛べない鳥
俺はゆっくり響の方を見ると、響は照れながら満面の笑みを見せていた。



『どういう…意味?』



『だから!昨日あのあとちゃんと美幸に伝えたんだ!最初は拒んでたけど…何回も言ったら笑顔になって頷いてくれたんだ!』



響は目を潤わせ、俺をじっと見ていた。



『まじかよ?やったじゃねぇか!』



この響は嘘ではない。
この響は強がってはいない。


響の顔をみたら一瞬で分かったんだ。



『本当にありがとな。遥斗がいなかったら俺さ、絶対後悔してた…』




『俺は何にもしてねぇよ。良かったな、今度は絶対離すなよ』




『おう!』



約束だぞ、響。
もう絶対先生を離すんじゃねぇぞ?



『なぁ響?寝てもいいか?』



『…どーぞ』



俺はベットに寝転んだ。
そして瞼をゆっくりと閉じていく。



いい夢が見れそうな気がした─…
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