飛べない鳥
『今日の天気は全国的に晴れでしょう。最高のデート日和です』



天気予報士が笑顔で俺達視聴者に話している。


俺はその言葉を聞いてもっていた歯ブラシを強く握った。


なぜ俺がこんなにも喜んでいるのか教えてあげようか?


今日は唯とデートをする日なのだ。


目的地は遊園地。


今日がすごく楽しみで、昨日の夜なんか中々寝れられなかった。



目を閉じれば明日のことばかりで、夢にまで出てきたくらい楽しみだった。


そして待ちに待った今日、俺はわくわくしながら起きた。



カーテンの隙間から太陽がちらちらと覗いていた。


低血圧な俺は、いつもならゆっくり起きるのだが今日は違った。


すぐに起き上がり、クローゼットの中から今日着ていく服を選び、その服に身を包んだ。


脱ぎっぱなしのスエットをそのままに放置し、支度をし始めた。
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