飛べない鳥
彼女と会ったのは間違いない。


俺は彼女に背中を押された。


彼女はとても魅力的な人だった。




『…どうしたの?』



どこからか声が聞こえた。

俺は急いで涙を拭き、辺りを見渡したが誰もいなかった。


空耳か?と思い、俺はまた視線を戻すと、俺の前に女の人が立っていた。



『え?』


さっきまで居なかったのに、何で?


俺は一瞬焦るが、彼女が微笑んだので俺も笑った。



すると彼女は俺の隣に座り、景色を眺めていた。



彼女は色白で赤い唇に、淡い茶色の髪の毛。
大きな瞳で見つめられたら一瞬で恋に落ちてしまいそうな容姿。
白いワンピースに身を隠していた。



俺の心臓は大きく鳴っていた。



『悲しいことでもあったの?』




『…うん』



『そっか…』



彼女は視線を足元に落とし、悲しい顔をした。




『俺…消えたい…』




何故か、彼女には素直に話せたんだ。



君は誰?
何故そんな悲しい顔をするの?



もう一度君に逢いたかった…
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