飛べない鳥
─ピーンポーン……


俺はドアの方を一度だけ見て、ワックスの蓋を閉め、ドアの方に向かった。


『…あーい』


ドアを開けると眉間にしわを寄せ、頭を押さえている響がいた。


『…二日酔いだろ?』


『ははっ当たり。分かる?』



響は痛そうに俺を見て笑った。


『あれだけ飲んでたらヤバいだろ?しかもお前弱いし』


『…飲みすぎた…』



当たり前だ。

響が一番多い数の酎ハイを飲んでいたのだから。

しかもテンションが上がっていたせいか、ずっと笑っていた。


俺は響を引いた目で見ていた。



『水やろうか?』


『やっいらねぇ、大丈夫…学校行こうぜ?』


『あぁ…』


俺は軽いカバンを持ち、
大嫌いな学校へと向かった。
< 42 / 354 >

この作品をシェア

pagetop