飛べない鳥
そんな菊地唯を見た俺は、ドクンと心臓が大きく弾んだ。


一瞬、綺麗だと思ってしまったんだ。


俺は起き上がり、
菊地唯を睨んだ。



『何がしたいわけ?
邪魔すんな』


冷静を取り戻す為、
俺は冷たい言葉を彼女に浴びせた。



『私は橘君と仲良くなりたいだけだよ?』



『…無理だな』


俺は我慢の限界だと感じ、屋上から出て行こうとした。


俺の心臓は、まだ鳴り続けている。



なんだ…これ…


体のおかしな反応に戸惑いを隠せない。



『ゆっくりでいいから、仲良くなろうよ…ね?』



『…じゃあな、菊地唯』



すると菊地唯は、俺の言葉を聞いて、顔がだんだんと赤くなっていった。



先生の話を楽しくしていた響と同じだった。



『ば…ばいばい…橘君』



──…バタンッ……
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