飛べない鳥
『いってぇ…』


俺は胸を押さえながら、
階段を下りていった。



菊地唯の真っ赤な顔。


すごく、すごく可愛かった。


今まで見てきた女の中で一番可愛かったかもしれない。


俺は目を閉じ、一旦自分を落ち着かせた。


でも心臓はリズムよく鳴り続けている。


なんだ?この気持ち…


変な俺…



不覚にも、俺も菊地唯と仲良くなりたいと思ってしまった。


君の全てを知りたい。


人間は…意外と面白いのかもしれない。


俺は学校から出ていき、
自分の家へと戻った。


今日は気分が上がらない。

丁度いい機会だ、
響もいないし、一人になってこの気持ちがなんなのかを確かめたかった。


マンションに着くと、
俺はエレベーターに乗るため、上のボタンを押し、エレベーターが来るのを待った。


数秒後、エレベーターのドアが開いた。


中には人が一人だけ乗っていた。



『橘…君?』




人間は…やっぱり…



難しい…
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