飛べない鳥
今日が勝負だ。


俺はこう意気込みをし、
教室へと入って行った。



教室にはまだ菊地唯の姿はない。


俺は自分の席へと着き、
響と話していた。



ザワザワと教室がざわめく。


かなり耳障りだが、俺は我慢をした。


すると、急にその耳障りなざわめきが止まった。


俺は辺りを見渡すと、
教室に誰かが入ってきた。

俺の方へと、その人は向かってくる。



『あっ遥斗~!!』



その人は最高の笑顔で俺に駆け寄ってきた。


俺はその人を冷たい目で見つめた。


『…誰だっけ?』


俺がこう言うと、さっきまでの最高の笑顔が一瞬にして消えた。



『ひどぉい!!』



今にでも泣き出しそうな顔で俺を見た。



意地悪をしすぎたようだな。



『何か用?美咲』


『覚えてるじゃん!良かったぁ!ここ座っていい?』


美咲は俺の隣の席に座った。


教室はまだシーンとなったままだった。
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