星の唄
出逢い

***************


トセ様はこの世に独りきり。

とてもとても寂しくてそれでも泣かないでいた。

ずっとずっと我慢していた。


けれどやっぱり寂しくて…

トセ様はぽつんと涙を流した。


その涙はテオに落ちていった。

落ちていった涙は静かに光り始めた。

泣いていたトセ様はその光りに気づきもしなかった。

トセ様の周りが涙でいっぱいになった頃、

トセ様ははじめてその光りに気がついた。


「もう独りじゃないですよ。」


トセ様は光り達に『ラニ』と名付けた。


***************

――『星の唄』第一章より

< 1 / 189 >

この作品をシェア

pagetop