星の唄
出逢い
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トセ様はこの世に独りきり。
とてもとても寂しくてそれでも泣かないでいた。
ずっとずっと我慢していた。
けれどやっぱり寂しくて…
トセ様はぽつんと涙を流した。
その涙はテオに落ちていった。
落ちていった涙は静かに光り始めた。
泣いていたトセ様はその光りに気づきもしなかった。
トセ様の周りが涙でいっぱいになった頃、
トセ様ははじめてその光りに気がついた。
「もう独りじゃないですよ。」
トセ様は光り達に『ラニ』と名付けた。
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――『星の唄』第一章より
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