星の唄


「そうだ。連絡先伝えておくね。」

そう言ってソラはユイにメールアドレスを渡した。


「これならいつでも連絡取れるはずだから。」

さらに付け加えながら携帯電話を指で差した。


「あ、はい。ありがとうございます。あ、あのでも、携帯持ってなくて…」

携帯を使っている人を見るのも初めてで、ユイは戸惑いながら答えた。
今時、携帯は持っている人の方が少ないはずだ。


「あ、そうだよね?今は普通持たないもんね…。僕は辺鄙なところへ行くもんだから……。ま、何かあったら呼んで、来るから。」

ソラはそう言いながらまた笑った。


「それから一つだけ約束して欲しいことがあるんだ。」

「約束…?ですか?」

「うん。僕のことは誰にも話さないで欲しい。仕事中にこうしてユイちゃんに会いに来てしまってるのがバレたら大変だから。」

と悪戯っ子みたいにソラは笑った。

それを見て、ユイも笑いながら頷いた。


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